神奈川県を中心に保険薬局を48店舗展開する株式会社わかば(神奈川県横浜市/代表取締役社長 杉本 修康 以下わかば)は、株式会社プロドローン(愛知県名古屋市/代表取締役社長 戸谷 俊介)と大手物流会社と連携し、「災害時におけるドローンを使った医薬品輸送の実証実験」を実施したことをお知らせいたします。
医薬品供給体制の構築へ、2025年の社会実装が目標
当社は、ドローンを使った医薬品輸送について、2025年の社会実装を目指し取組みます。地域医療を担う薬局として、医療を必要とする方が災害時も平時と変わらず継続して医薬品を使用できる、医薬品供給体制の構築に貢献いたします。
■本実証実験の概要
災害時の高齢者介護施設や避難場所への医薬品輸送を想定して検証
本実証実験は、わかばの保険薬局にて医薬品をドローン専用容器に格納し、主に神奈川県下の高齢者介護施設などへ輸送することを想定して実施しました。社会実装時には、慢性疾患患者の医薬品だけでなく、温度管理が必要な医薬品(インスリン製剤など)にも対応できるように、冷所保存の輸送も行いました。また、飛行時のカメラ画像は災害状況の確認に有効活用できることから、今後は医薬品物流の担保のみではなく、幅広い活躍に向けた検討を進めます。
■実施内容
災害時のドローンによる医薬品輸送について、横浜市街地(さんかくはし・鳥山大橋・新横浜大橋上空を経由したルート 片道約2km)におけるドローンの飛行訓練により、人口密集地域を含む都市部において輸送条件の異なる複数の医薬品の輸送を実施しました。
実施日時:2023年11月12日(日)8:00~12:30
実施場所:横浜市港北区
検証した事項は以下のとおりです。
■検証結果
温度管理の必要な 医薬品のドローン輸送 | 飛行時の適切な温度管理により、医薬品の品質を保持
ドローンに搭載した輸送容器内の温度は6℃~5.7℃を100分保持しており、飛行時においても適切な温度管理を実現しました。これによって災害時に冷所保管が必要な医薬品供給において輸送の選択肢を広げ、安全かつ安定的な供給体制の実現を図ります。 |
温度管理が不要な 商材のドローン輸送 | 6キロ以下の医薬品供給を効率化
医薬品の中でも比較的重量のある栄養剤1ケース(6kg)を搭載した飛行実験により、効率的な輸送を実証しました。重量のある医薬品においても、安全なドローン輸送を実現します。 |
わかばは、これらの実証を通じて、今後ドローンを使った医薬品輸送が、医療を必要とする方にとって有用かつ適正な医薬品の供給手段となることを目指し、課題解決に向けた取り組みを行ってまいります。
■今後の展開について
2024年以降は専用の輸送容器の開発や、高齢者介護施設などへ実際の輸送を想定した実証やトライアルを予定しています。
■わかばについて
神奈川県を中心に保険薬局を48店舗展開。1997年から高齢者介護施設での在宅医療に携わり、チーム医療に参加。患者さまの健康を支え、地域と密接に連携する保険薬局のモデル「スマートファーマシー」の実現に取組み、すべての患者さまに個別最適化された医療の提供に努める。昨年に国際事業部を設置。日本の高品質な医療を海外へ輸出し、薬局の50年先をつくる事業を展開するなど、薬局の活躍の場を広げている。